どうして「パチパチクラッピー」は「100円」で販売されることになったのか

バイバイワールド代表の髙橋征資です。今回は1500円(税抜き)で販売していたバイバイワールドの玩具「パチパチクラッピー」が、なぜ100円(税抜き)で、「パチパチトール君」という名で百円ショップで販売されることにのか。その真相をお届けします。

パチパチクラッピーの売れ行きも落ち着いた2016年11月のある日、パチパチクラッピーの販売元であるキューブさんからこんなメールが届きました。

中国の商社から連絡がありました。パチパチクラッピーによく似た安価なおもちゃ(要はパクリかと思います。)を工場が持って来たらしく、それを日本の会社へ紹介してみたところ、商品として取り扱いたいとのことです。ちなみに卸し先は日本の百円ショップのようです。結構急いでいるようでしたので、とりあえず一度コンタクトお願いしたいです。社長は周さんという方で、片言の日本語を話す中国人でした。

ほぅ、、なんなんだこの話は。。ありがたいやら、ありがたくないやら。そしてキューブさんとしては、版権元のバイバイワールドで判断してください、とのことです。なんかおもしろいのですぐに0086からはじまる番号に電話をかけてみました。

髙橋「もしもし?」

周社長「ア、モシモシ~?」

髙橋「(ホントに日本語だ!)バイバイワールドの髙橋と申しますが、パチパチクラッピーの件でお電話いたしました。」

周社長「ア~!ハイハイ!ジツハ○×△□・・・」

てな感じで、片言の日本語でメールと同じ内容を勢いよくしゃべりまくり。

周社長「ソレデ、ケイヤク、ダイジョーブデスカ?」

髙橋「(急すぎるっ!判断できない!)一回、物を見せてもらうことはできますか?」

周社長「ジャア、ウチ日本人イルカラ、日本デアッテクダサイ!」

髙橋「(この会社には日本人の人もいるのか!)ぜひ!」

ということで、スケジュールを合わせ、その商社の日本人と会ってみることにしました。何かあったら恐いので、面会場所は吉本興業のロボット研究所の部屋にしました。

いよいよ面会日です。どんな人が来るのだろう。。すげえ恐い人来たらヤベぇぞ。。なんて不安に思っていましたが、やってきたのは感じの良いおじ様(以降、Hさんとします。)でした。今回の件、中国の商社の話など、丁寧に話してくれました。まとめるとこんな感じの話だったと記憶しています。

  • Hさんは定年間近に中国の商社に入社し、中国で生活しているとのこと。月に一度は日本に帰っている。この日も一時帰国中。
  • 中国の商社は深センから新幹線で2~3時間行った「汕頭(スワトウ)」という田舎にある。汕頭は世界一の玩具の街とのこと。安価なプラスチック玩具を製造する工場がめちゃくちゃたくさんあるらしい。
  • Hさんは中国でオリジナル製品がなかなか生まれない環境をなんとかしたいと思っている。今回こうして契約を取りに来てくれたのもその考えからで、日本の企画力と中国の製造技術をつなげたいと考えている。

お話を聞かせていただいて、中国は未知数だけど、この人は信用できそうだと感じました。そして、パチパチクラッピーに「よく似ている」と聞いていたサンプルを見せてもらいます。

クラッピーじゃんっ!!

ご丁寧にパチパチクラッピー付属のシールまで似せて貼られていて、何もここまで真似なくても、、といったファーストインプレッション。

しかしよく見ると、あれだけこだわったシリコンの柔らかい手が中空のプラスチックに変わってる。。そしてなぜかクラッピーにはない爪とシワがある。。

いろいろ疑問はありましたが、レバーを引いてみたらビックリ。

髙橋「あれ!?超気持ちいいっ!!なんか音もこれでいいかも!?てかこれ100円っ!?」

Hさん「はい100円です。さすがにギリギリですけどね。」

その玩具としての完成度に驚かされました。内部の設計まで改良が加えられていて、劣化版というよりむしろ廉価版です。100円以上の価値がある製品だと感じました。Hさんの話によると状況はこんな感じでした。

  • このサンプルで日本の百円ショップでの商品化が決まり、製造が進んでいる。
  • 商品名は「パチパチトール君」とのこと。(トール君って誰だ。。)
  • 個人的にいらない手の爪とシワ、耳のシールは貼ることで決まっている。
  • 日本の百円ショップの商品としてパッケージされる。

そんな状況のため、これから新たに手を加えるのは商社の予算的にも厳しいとのこと。(それで急いでたのね。。)こんな状況なので、バイバイワールドが販売許可するか、全くもってなかった事にするか、という選択でした。

決断に時間はかけませんでした。なんかネタとしておもしろいし、Hさんの話は納得できたし、何より物がいいし、細かいことより好奇心が勝り、バイバイワールドと中国の商社で製造契約を結びました。

髙橋「しかし世界一の玩具の街って気になりますねぇ。なんか恐いけど見てみたいなぁ~」

Hさん「是非来てください!案内しますよ!」

髙橋「え!?いいんですか?」

Hさん「もちろんです!うちの会社はもちろん、汕頭に何万とある玩具の製造工場や、巨大な玩具の展示場を案内しますよ。」

髙橋「工場も見れるの!?巨大な展示場って何!?なんかめっちゃ気になる!行きます!」

ということで、細かいことより好奇心が勝り、中国の汕頭に行くことを決めました。

この数ヶ月後、本当に全世界の百円ショップで販売が開始され、中国の商社も契約通りの対応をしてくれています。100円クラッピーの反響は予想以上で、「クラッピーチャレンジ」という謎のムーブメントも生まれています。ほんと、クラッピーっていじられキャラですね。。

3Dプリンタなどの工作機器で、個人でも製品レベルの試作を作れる環境が整ってきましたし、今後はオープンソースならぬ「オープントイ」が生まれていくのかもしれません。

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